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画面が広く見渡せるSibelius、操作子がいろいろ出ていてツール選びに迷わないDorico|楽譜浄書ソフトを利用した打ち込み

2019年8月31日 by Nakaoh Morohoshi コメントを書く

DTMerの皆さんは今日もTLが賑わっていますね。

DTMの基幹ソフトといえばDAW(Digital Audio Workstation)ソフトですが、私がインターネット社のABILITYを推す理由は国産ソフトに頑張ってもらいたいだけではなく、楽譜入力画面が良くできているためです。私はピアノロールだと曲が概観できないもので……。

ABILITYの下位バージョンであるSinger Song Writer Liteが売れていた理由に、MIDI打ち込み機能だけインターネット社製品を使い他DAWで仕上げる、という利用者がそれなりにいたという情報を見た記憶があります。

Singer Song Writer Liteはクロスグレードなどを利用すれば1万円しないで買えたりもするためそういう用途に手を出しやすいのは分かる気がします。そして上位バージョンのABILITY Proは充分なDAWとしての機能を持っているため楽譜で打ち込みつつAudioをいじることも容易で、その点で推しているのです。

ただ、楽譜での打ち込みを主体として考えるなら、楽譜浄書ソフトも見逃せません。

作曲ソフトとしてのSibelius

日本で(もちろん世界でも)シェアの大きいFinaleは大変細かい調整ができるそうです。ただ、その機能の主体は楽譜の見栄えに関わることで、Finaleは主に出版を目的としたソフトであるようです。

もちろん、Finaleで打ち込みをするDTMerさんもいらっしゃるのですが、この分野では作曲家目線で作られたSibeliusに分があると思います。

Sibeliusは大変直感的に扱えるため、FinaleやDoricoのように使い方に悩む時間は大変少なくて済むと思います。音符や奏法記号の多くがテンキーに割り当てられているため、テンキーがある環境では音符や記号選択がはかどり、画面上で割り当ても確認できるため、この点について覚える必要のあることがほとんどないのです。

また、音符を入力したときに発音するのはもちろん、矢印キーで音高を変えたり音符を次々と選択しながら音の流れを確認したり、DAWソフトでは上手く出来ないことが可能な利便性を持っています。

Sibeliusは画面が広い

Sibeliusはバージョン7で大きく見た目が変わりました。現在まで続く上部に各種操作のコマンドバーが配され、下部はほぼ譜面を見渡すための場所となっています。楽譜浄書に特化するなら紙との兼ね合いが大事ですのでページごとの表示となるでしょうが、Sibeliusは作曲ツールとしても企図されていますので、パノラマ表示という五線譜が果てしなく右側へ続いている表示もでき、現在の横に広いモニター環境ですと、このパノラマ表示にした状態は曲の流れを見るのに大変良いのです。

作曲フローを熟知したDorico

DoricoはCubaseで有名なSteinberg社のソフトですが、開発にはSibeliusのスタッフが多く関わっています。というのもSibeliusはもともとSibelius Software社の製品で、Avid社に買収されたのち、イギリスからイスラエルに開発拠点が移った経緯があり、その際に多くのスタッフが離れそのスタッフをSteinberg社が雇用したのです。

FinaleやSibeliusからだいぶ遅れて登場したソフトだけあって、Doricoは大変優れた機能を持っています。楽章の管理、譜面の状態を変更せずに再生データを変更できるなどなど……。

私はもともとCubaseユーザーだったため浄書ソフトとDAWの連携に期待してSteinbergの新しい浄書ソフトの開発が発表されたときから楽しみにしており、バージョン1を発売日に手にしたのですが、元Sibeliusスタッフが関わっているにしてはSibeliusとだいぶ異なる操作感にすぐ慣れることができず、またバージョン1は大変機能的にも劣っていたため、すぐにHDDの肥やしとなってしまいました。

バージョン2は静観したままでしたが、Sibeliusを手軽に利用するために導入したNotePerformer for SibeliusがバージョンアップでDoricoに対応したこととSteinberg社のセールで3割引となっていたことで再び興味を取り戻し、導入に至りました。

Doricoは使うものが画面にすべて並んでいる

利用して慣れるにつれ思ったことは、現在のモニター環境に合わせて画面の両側に操作子が並び、イラストアイコンで表示されているためにしたいことがどこからできるのかすぐわかり実現できるなということでした。

Doricoにすぐ慣れなかったと書いたのは恐らく多くの人に当てはまることだろうと思います。操作が複数のボタンを押すことでなり立つもの、見ただけでは把握しづらい考え方があり、ことはじめて楽譜浄書ソフトを導入する方は戸惑うだろうと今でも思っています。

しかし、ある程度分かってくるとよく考えられたソフトで、まだなんとなく理解した程度ですが、Sibeliusより優れた点が多く、これから導入を考える人にはDoricoの方を進める可能性が高いと思います。

Sibeliusの良い点
・画面が広く見渡せる
・少ない理解で多くのことができる
・余計なものが出ていないので惑わない

Doricoの良い点
・画面にツールが並んでいて道具選びに迷わない
・楽譜データだけでは実現できない音源の調整もできる
・DTMでの作曲により向いた設計

なお、DoricoにはSteinbergのエントリー向けオーケストラ音源 HALion Symphonic Orchestraが付属し、Dorico以外のVSTi対応ソフトでも利用できます。

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Filed Under: DTM, ホスト, 創作, 音楽 関連タグ:AVID, Dorico, DTM, Sibelius, Steinberg, インターネット, 作曲, 打ち込み, 楽譜ソフト, 楽譜浄書ソフト, 浄書ソフト

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Nakaoh Morohoshi

Nakaoh Morohoshi

1986年、静岡市生まれの日曜作家・作曲家。主に文芸に関してとDTMについてつぶやいてます。

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