先月(2019年7月)18日、インターネット社のDAWソフト、ABILITYがバージョン3にメジャーアップデートしました。
見た目が大きく変化。現代的で使いやすいUIに。
MIDI打ち込み機能については完成されたスコアエディタや数値エディタに魅了されて選ぶ方が多いようですが、今回ピアノロールエディタについてもかなり使いやすくなっており、見慣れた楽譜で打ち込んだのちにピアノロールエディタに移行してソフトシンセの鳴り方を微調整していくこともやりやすくなっています。
また、今回はかなり手間がかかっていてGUIも大幅に作り替えられています。旧来的な旧バージョンまでのGUIは受け容れられない人の声も多く出ていましたが、今回のバージョンアップでアイコンは旧バージョンユーザーが迷わない程度に現代の潮流に合わせた見た目になり、私が長く要望していた背景画面の明るさも暗い見た目になって目の疲労が軽減されるものと思います。
また使っていて思ったのですが、流行のワンウインドウ・レイアウトを選べるようになったことで譜面表示の画面の狭さなどは気になるものの、開く位置を調整したり、閉じ忘れたミキサー画面を見失ったりしなくなった点は便利でした。
付属プラグインが大幅アップデート
これまでのSSW・ABILITY最上位版にはマルチ音源としてVSCとSoundCanvasの他にNative Instruments社のKomplete Elements(日本未発売)が付属していましたが、今回なんと容量30GB超、通常価格18000円程度のSampleTank 4 SEが付属しています。
ギターやベースを入れる人には欠かせないアンプ・シミュレーターもNIの無償版Guiter RigからIK MultimediaのAmpliTubeのMetalが付属することになり、音質がアップしました。Metalということですが、いろいろなジャンルに使えると思いますよ。
付属音源のIK Multimedia SampleTank 4 SEは各種アップグレード/クロスグレードに対応
SampleTank 4 SEはそれだけでもさまざまな曲作りに対応できる音色を持っていますが、なにしろ各種音色のリアルさがあるもので、マルチ音源の容量にしては音色数は少ない方になると思います。
しかし、このABILITY付属版SampleTankは製品版と同様に同社ソフトウェアのアップグレードやクロスグレードに対応しているそうです。ですからSE版ではなく真ん中のグレードの無印版にアップグレードすれば、安価に数量、クオリティともに必要充分な音色数が揃えられるのです。
また、先に書きましたがクロスグレードに対応ということで、同社のプラグインバンドルであるT-Racksもお得に手に入れられます。
今回いちばん書きたかったのはここで、ABILITY 3.0 Proはモデリング系のプラグインがほぼ収録されていないのですが、IK Multimedia社は各種モデリングに長けたディベロッパーであり、どうしてもデジタル臭い無味乾燥の音になりがちなデジタルオーディオに良い音の変化を与えてくれるアナログ回路のシミュレート・プラグインを数多くラインナップしています。
このABILITYに不足している要素を安価に補填できるシステムはいままでなかったことで、いままでABILITYの導入を迷っていたような方の背中を押す、ひとつの大きなメリットではないかと思います。